第二章 創造の福音

T 信仰がもたらす光

63−64


63 多様な解決策
 生態学的危機の複雑さやその原因の多様性を見るに、その解決策は一つの方法からではない。
 ・さまざまな民族が有する多彩な文化的富、芸術や詩、内的生活や霊性
 ・科学のあらゆる部門、知恵のあらゆる表現
 ・宗教と宗教特有の言語

64 エコロジカルな責務
 「キリスト者は、被造界にあっての責任と、大自然と創造主に対する義務とが、自分の信仰の本質的な部分をなすと悟る」(ヨハネ・パウロ二世)ことが(必要である)。



 全地球規模の生態学的危機に対応するには、全人類のあらゆる知能と知恵を総動員しなければならないだろう。この危機を克服するには、それぞれの地域や民族、文化や自然環境、植生などを考慮した多種多元的な解决方法が求められる。一様な解決は、かえって危機の傷を広げてしまう。
 教会もそれに応えていこうとしているが、教会が信徒を通して多種多様な世界と繋がっていることは、解決への大きな力となるだろう。

 そこでまずキリスト者は、被造界と最も弱い立場に置かれている人々との関わりが、自分の信仰の本質的な部分であり確信であることを悟らなければならない。「隣人を自分のように愛せよ」との隣人には、この大自然、被造界も含まれているのである。